多煎でお茶を楽しむ
お茶を飲むとき、湯呑はどれくらいの大きさが良いか考えたことありますか?おそらく多くの人は180ml前後くらいの、マグカップやティーカップくらいの大きさで飲むことが多いでしょう。
何かをしながら-スマホを見ながら、TVをみながら、PCに向かいながら-お茶を飲む、ということを考えるといちどにたっぷりと入る容量の多いカップがよいかもしれませんね。
一方でじっくりとお茶を味わうことを想定した場合、小さめの湯呑が良いかもしれません。良いお茶は多煎といって2煎~3煎、お茶の種類によっては5煎以上楽しめるものがあります。
お茶を多煎で楽しむ場合は、小さな容量のうつわの方が向いています。お茶の発祥の国、中国では本格的なお茶の場合、湯呑は「茶杯」といって40~60ml程度の小さいものが使われます。中国茶は多煎で楽しむことを前提としているからです。
もっとも日本茶の場合、多くても3煎程度ですから70~90mlくらいがよいかもしれません。日本でも、茶道の一つである煎茶道では、煎茶碗と呼ばれる50ml前後のうつわが使われます。煎茶道では玉露や煎茶を多煎で淹れますが、抽出回数による味の変化を楽しむ目的もあります。
多煎で煎茶を飲む場合、例えばはじめは低めの湯温で旨味や甘みを、2煎目以降は徐々に湯温を上げて爽やかな渋みや苦味を楽しみ方ができます。また、煎茶だけでなく釜炒り茶や紅茶も多煎で飲むこともできます。もちろん茶道でもない限り淹れ方は自由ですので、小さな湯呑を使って、多煎でいろいろな淹れ方を試して、自分好みの味を見つけるのもお茶の楽しみの一つです。