日本六古窯のひとつ、常滑へ。前編 - 玉光陶園
日本六古窯の一つ、常滑へ。今回は常滑焼の窯元、玉光陶園さんと石龍陶苑さんにお伺いしました。
愛知県常滑市は知多半島中部の西岸にあります。知多半島の丘陵地帯は古くからやきものの産地として窯が築かれてきました。常滑焼の歴史を紐解くと、その起源は平安時代にまでさかのぼります。以来、時代とともに様々な変遷を経ながら陶器が作り続けられ、現代のように常滑焼と称されるようになったのは江戸時代からです。また、中国の茶壺(古くからある中国茶の急須)に倣い朱泥の急須が作られるようになったのも江戸時代です。
常滑焼といえば急須と言われるほど常滑の急須は有名で、全国的に流通しています。代表的なものは、前述の朱泥と呼ばれる鉄分の多い土で焼かれる赤褐色のものや、焼き締めと呼ばれる無釉の固い炻器質(陶器と磁器の中間の性質)のもので、ろくろ成型の高い技術に裏付けられた品質の高さが特徴の一つです。
はじめにお伺いした玉光陶園さんも、 1945年の創業以来、高品質な常滑急須や茶器を長く作り続けてきた陶房です。今回は、ストアで取り扱う急須のご相談と工房の見学のためにお伺いしました。当日は現在代表を務める梅原幸隆氏にご案内をしていただきました。
上の写真は打ち合わせスペースにあった急須の見本。打ち合わせの後、2階にある倉庫を見せていただきました。スチールラックに収められた70年以上の歴史のある膨大なアーカイブは圧巻で、その中から3点を選びだし、仕上げや大きさの打ち合わせをさせていただきました。
その後工房も見せていただきました。工房では工程ごとに分かれて全て手作業によって行われます。
朱泥急須の蓋を削るのは梅原幸隆氏の父で伝統工芸士でもある梅原廣隆氏。氏は2020年に叙勲「瑞宝単光章」を受章されました。
お願いした急須は7/14現在制作中で8月には入荷の予定です。kiwahaだけの特別オーダー品となっておりますので、ぜひご期待ください。
後編に続く